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house Learn To Fly
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House Learn To Fly(Project)

建物概要  木造
用  途  専用住宅(夫婦+子供2人)
敷地面積  233.76m2 (70.57T)
延床面積  125.55m2 (37.90T)
建築面積  114.38m2 (34.53T)
建築場所  栃木県佐野市

 敷地は、栃木県佐野市の和かな住宅地にある。ここを初めて訪れたのは、1月の寒さが厳しい時期で、カーナビを頼りに向かったところ、山越えのルートになっており、道中紅葉が終わった山並みを眺めながらの道のりとなった(後日知ったのだが、一般的には山越えのルートは使わないらしい)。山道を抜けて、少し走ると目的の敷地に到着した。まず印象的だったのは、500mから1kmくらいの適度な距離をもって、三方を自然豊かな山に囲まれていることだった。優しい陽射しの春に備えているような、落葉した山道を通ったことも一因になったのかもしれないが、四季をダイレクトに感じられるこのアイデンティティを活かした住宅を計画することにした。近隣には特に高い建物もなく、おおよそ7mくらいであったので、目線をこの高さまで持ってくることを考えた。
 次に、敷地がもっている特徴に目を向けてみると、本敷地は広い実家の一画にあり、周辺よりも1mくらい低くなっていることが特徴的だった。
 ご夫婦の希望として、白黒の箱を組み合わせたような建物であること、バイクをしまえるスペースと、屋根の下で洗車できるスペース、できれば車も屋根の下に停めたいとの事であった。また、共働きのご夫婦を、実家のお母さんが助けてくれるという事もあったので、建物を浮かして、道路からでも実家の敷地からでもアクセスできる計画とした。浮かしたピロティ空間に、建物を支えるための構造体の壁を設け、さらにその壁を金属板と、木貼の2種類に分けることにした。
 こうすることで、金属板は鏡のように風景を映して奥行きをつくり、木貼の壁は、大きな木の根元に寄り添うような居場所をつくりだす。また、ピロティの天井高さを変える事で、空間の余白に変化が生まれ、軒下の使い方を意識的に分けられるよう考えている。この天井の変化は室内空間にもレベル差を生み、LDKに立ったときには、山並みの四季の変化が目に飛び込んでくる7mの高さになるようにしているのと、建物の高さを、南側から徐々に高くする事によって、北面道路のアプローチにも光を直接届けるようにしている。
 雨水等が敷地に流れ込んでくる事を防止するため、1mの盛り土をするが、せっかく1mも下がっているので、下がっているレベルで基礎の耐圧板を打ち、その後に盛土をする計画とし、通常、植栽が植えられないような地表面スペースにも自由を与える事を考えている。さらに、フレキシブルな地表面に円弧状の通路を這わせ、どこからでもアクセスできることを印象づけている。
 豊かな山並みで春夏秋冬を感じ、軒下空間が活発な人の風景をつくりだすことで、敷地を飛び出して近隣とのコミュニティーを促進し、郷土愛がさらに深まっていくような、地元に根付いた固有の住宅になると信じている。