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G番地 侘び
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G番地 侘び

建物概要  木造
用  途  居酒屋
建築場所  群馬県伊勢崎市今泉1丁目

 居酒屋G番地の2軒目の内装設計。
本計画は、器用なオーナーさんがハーフセルフビルドで作ると言うテーマから設計が始まった。器用であるとはいえ、複雑な加工、多様な材料による工事は不可能であるため、1本の角材を切って、規則的にとめることによって空間を構成する仕組みを考えた。また、伊勢崎市は繭の街であることからも、包まれるような座敷にすることで、どこか街に溶け込んだ内装になると考えた。
 もともと縦に長く狭く感じる店舗の作りであったため、短辺方向に広がりをもたせる方法として、両側の壁を黒く塗りつぶし奥行きを曖昧にし視覚的な広がりを操作した。
 その黒く塗りつぶした壁には、同色で塗りつぶした板材を市松模様で貼った。遠くから見るとただの黒い壁であるが、距離が詰まることにより市松模様が浮き出し、さらに近づくと木板でできていることに気づく。こうすることで、黒い壁にさらに奥行きをもたせた。
そして、この壁にはG番地のアイデンティティである和を感じさせる行灯などを白い飾り棚に設け、印象的な対比を作り、お互いを際立たせた。
 と、内装の説明を連ねたが、何よりこのオーナーさんの人柄、行動力なくしては成り立たない、唯一無二の居心地の良い居酒屋である。