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10-house 季節を纏う家
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10-house 季節を纏う家

10-house -季節を纏う家-

建物概要  木造
用  途  専用住宅 離れ(夫婦+猫)
敷地面積  1476.75m2 (445.82T)
延床面積  33.53m2 (31.12T)
建築面積  33.53m2 (31.12T)
建築場所  群馬県みどり市

 1500m2ちかくある広い敷地の一角に建つ10坪の離れの計画である。
建主さんのご要望は、小さいながらも家族や愛猫と楽しく暮らせること。
 広い敷地の中には建主さんが手をかける樹木の庭園が広がっており、本建物は初めからこの場所という位置が決まっていたので、そこからみえるもの、感じることを手がかりに計画を進めていった。予定場所の中心に立って周りを見渡すと、北東に母屋、東にヤマモミジと空地、南に庭園、西に1mくらい下がって道路がありその奥に小高い山があった。それぞれの方角に性質の違う個性があるので、本建物はそのつながりを整理していく役目を担うことによって、この場所に建つ力強さのような関係性が生まれると考え計画した。
□東側
ご夫婦以外の家族や来客との繋がりを生むアクティブな共有スペース。将来的にウッドデッキを設け、ここでみんなと楽しむ。大きな掃き出しの開口を設け意識を促進する。本建物のシンボルツリーとなるヤマモミジがリビングから見え、季節の移ろいを眺めながら豊かに暮らす。
□南側
距離の近い手入れの行き届いた樹木を楽しめるスペース。玄関を南側に設け、毎日のアプローチに特別感を演出する。季節により変わる花の香りをふっと楽しむ。
□西側
ご夫婦だけのプライベートスペース。道路側から2m50cm離して建物を建てることによって、ご夫婦だけのくつろぎ場所になる(道路側が1mくらい下がっており塀を足すと2m近くなるため自動車の存在が消える)。将来的にウッドデッキを設けるため、東側の共有スペースと西側のプライベートスペースをつなぐリビングになり、東西のウッドデッキによって、室内の視覚的広がりも生まれる。また、奥に見える小高い落葉樹の山が四季を伝えながら、西日を遮り生活に豊かさを与える。普段見えている当たり前の景色を、大きな窓で切り取ってみることで印象的になるよう操作した。
□北側
玄関からの抜け感を生む庭スペース。100坪もある大きな母屋にとってはただの空地となっていたスペースであるが、本建物の10坪のスケールからは立派な庭になると考え、抜け感を生むための庭として考えた。南北に細長い造りを利用し、それぞれの部屋に同じ大きさ、同じ位置に開口を設けることによって、遠近効果を生み出し、玄関からより北の庭に意識が抜けるように操作した。